第7回 生理がつらいのは異常?
生理のしくみと生理痛を引き起こす原因
毎月、生理が定期的に来るということは、それは毎月しっかり排卵しているという身体本来の機能が正しく機能している証拠と言えます。
生理には、女性ホルモンが大きく作用しています。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類のホルモンが子宮内膜、すなわち受精卵が着床する為のベッドを厚くフカフカにする役割を担っています。
妊娠しない場合はこの子宮内膜が黄体の寿命(約14日間)と共に剥がれ落ちます。これが生理です。
子宮内膜が完全に剥がれ落ちるには子宮内膜からプロスタグランジンという物質を出して、子宮を収縮させています。この仕組みは、陣痛と同じです。
プロスタグランジンはなくてはならない物質である一方で、分泌量が多いと、子宮をより強く収縮させ、生理痛の主な原因となります。
そのほかにも、胃腸の収縮を引き起こすことで、吐き気や下痢、頭痛、腰痛の原因にもなります。
ただし、このような作用や症状には個人差があります。
生理に関する症状で見逃せない3つサイン
1、経血の量が増えた
2、生理痛が強くなった、生理痛で日常生活に支障が出る
3、生理前後で腹部症状(下痢など)や性交痛、肛門部痛がある
一つでも当てはまる場合は、一度産婦人科への受診をお勧めします。
見逃せない3つのサインの原因
1、経血の量が増えた
経血の量が増えてきた場合、もしかしたら子宮になんらかの異常がある可能性があります。悪性であれば、子宮頸がん、子宮体がんの可能性もあります。
良性であれば、子宮頚管ポリープや子宮内膜ポリープ、子宮筋腫(中でも子宮粘膜下筋腫)や子宮内膜症(子宮腺筋症)などが隠れているかもしれません。
2、生理痛が強くなった、生理痛で日常生活に支障が出る
3、生理前後で腹部症状(下痢など)や性交痛、肛門部痛がある
2、3については、子宮内膜症が原因のことが多いです。
子宮内膜症という疾患は腹腔内の全ての部位に病変が出来ることから、さまざまな症状を引き起こします。子宮に内膜組織が入り込んで起こる疾患を子宮腺筋症といい、卵巣に内膜組織が付着して悪化する疾患を卵巣子宮内膜症性嚢胞(俗称チョコレート嚢腫)といいます。それ以外にも、膀胱の表面や、腹膜、腸管、ダグラス窩(直腸子宮窩という女性の骨盤内で最も最下部)に内膜組織が付着することで痛みを引き起こす疾患もあります。
自分の身体を知ることが、安心への近道
上記のような『つらい』生理にまつわる症状を引き起こす原因には、良性なものだけでなく悪性の疾患が隠れていることもあります。
現代は、生理について友達や家族に相談しやすい時代になってきたように感じますが、まだまだ相談できずに自分で抱えている方も少なくはないでしょう。
これって普通?と他人となかなか比較できないこともあると思います。
「つらい」と感じる感覚は、あくまで個人の感覚で、必ずしも、他人の感覚と一致する訳ではありません。そのため、皆さんひとりひとりが「つらい」と感じ、日常生活に支障が出てくる場合は、何かしらの手立てが必要になることもあります。
『つらい』症状の原因が何かを診断する為には、まず内診台で超音波検査を行い、子宮と卵巣を検査します。性交渉経験がない方はお腹からの超音波検査でも検査が可能です。
つらさは我慢せずに、一度ご相談いただき、何が原因なのか、原因への治療介入が必要なのか、一人一人に寄り添いながら医療を提供して参りたいと思います。
