第11回 子宮内膜症を正しく知ろう
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激しい生理痛、我慢していませんか?
「生理痛はあって当たり前」「薬を飲んで我慢すれば大丈夫」……そう思って過ごしている方はいませんか?実は、その痛みの中に「子宮内膜症」という病気が隠れているかもしれません。
今回は、現代女性にとって非常に身近である子宮内膜症の仕組みと、その治療について詳しくお話しします。
1. 子宮内膜症とは?
本来、子宮の内側にあるはずの「子宮内膜」に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣、腹膜、腸など)にできてしまう病気です。
子宮の内側にある内膜は、生理のたびに剥がれ落ちて血液とともに体外へ排出されますが、子宮以外の場所にできた組織は、出口がないため体内に留まってしまいます。これが原因で、周辺の組織で炎症や癒着(組織同士がくっつくこと)が起こり、強い痛みや不妊の原因となることがあります。
2. なぜ起こるの?その病態と原因
はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、現在有力な説の一つに「月経血の逆流説」があります。
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仕組み: 生理の血液の一部が卵管を通ってお腹の中へ逆流し、そこに含まれる内膜組織が腹膜などに定着してしまう。
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進行: 定着した組織も、本来の内膜と同様に女性ホルモンの影響を受け、生理のたびに増殖と出血を繰り返します。そのため、時間の経過とともに炎症が広がり、症状が強くなっていく傾向があります。
3. 子宮内膜症が引き起こすさまざまな症状
病変ができる場所によって、以下のような状態を招くことがあります。
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チョコレート嚢胞: 卵巣の中に古い血液がたまり、腫れてしまう状態。
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子宮腺筋症: 子宮の壁(筋肉層)の中に組織が入り込み、子宮が肥大することにより、強い生理痛や経血量の増加を伴います。
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深部の病変: 腸や膀胱の近くにできると、排便痛や性交痛、慢性的な骨盤痛の原因になります。
4. どのような治療があるの?
治療法は、症状の程度、年齢、そして将来の妊娠希望の有無に合わせて、一人ひとりに最適な方法を選んでいきます。
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薬物療法: 鎮痛剤で痛みを抑えるほか、低用量ピルや黄体ホルモン製剤、IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)を用いて、ホルモンバランスを調整し病気の進行を抑えます。
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手術療法: 薬物療法で改善が見られない場合や、嚢胞が大きい場合には、病変の除去や癒着の剥離を行う手術を検討します。
【受診の目安】こんなサインはありませんか?
市販の鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない
生理のたびに痛みが強くなっている気がする
生理以外の日にも下腹部痛や腰痛がある
生理痛で学校や仕事を休んでしまう
なかなか妊娠しにくいと感じている
子宮内膜症は、放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、将来のライフプランに影響を与えることもあります。「これくらいで相談してもいいのかな?」とためらわず、まずは一度婦人科へご相談ください。
Endo Kikyo Maternity Clinic
副院長 遠藤 拓
